日本動物園水族館協会会長のごあいさつ

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「いのちの博物館」動物園・水族館~JAZA10年ビジョンの実現に向けて~ -2017年度の取り組み-

日本動物園水族館協会会長 福田 豊 日本動物園水族館協会会長
福田 豊

2013年に日本動物園水族館協会JAZAは10年後の動物園・水族館がめざす姿「10年ビジョン」を策定し、いのちの素晴らしさ、儚さ、大切さ、を実感し、学び、伝える「いのちの博物館」の実現に向けて、協会加盟園館が連携して取り組んでいます。
今年2017年は「10年ビジョン」策定から5年目にあたります。「10年ビジョン」を実現するためにはいろいろな取り組みが必要ですが、今年は特に動物園水族館で飼育される動物の福祉向上とイルカの飼育繁殖に取り組んでいこうと考えています。動物園水族館に来園される皆様が園内で気持ち良く過ごしていただくには、飼育動物が健康かつ快適にくらしている様子を見ていただくことが基本になると思います。言いかえれば、動物園水族館で働く私たちが、日々、飼育動物の環境改善に取り組んでいくことが必要です。快適な環境に暮らすことで、動物は生き生きとし、繁殖もうまくいくことでしょう。
今年のもう一つの重点目標はイルカの飼育繁殖です。水族館で人気の高いイルカですが、今までの飼育繁殖成績はそれほど高くありません。もちろん1年間でイルカの飼育繁殖を軌道に乗せることができるとは考えていません。時間がかかると思いますが、今年をイルカ飼育繁殖元年として、DNAの分析により個々のイルカの血縁関係を明確にしてイルカの飼育繁殖の基礎を固めるとともに、ワークショップ等を開催して飼育繁殖の知見を加盟園館で共有し、着実にイルカの飼育繁殖に取り組んでいこうと考えています。
現在、約150施設の動物園・水族館がJAZAに加盟しています。来場者数は加盟園館全体で年間8,000万人を超え、おかげさまでこの5年間、増加傾向にあります。これからも私たちは皆様のご期待に応え、それぞれの事業を通じて地域に愛されると同時に、相互に連携協力しながら期待される社会的な役割を果たしていけるよう努めてまいります。