野生生物の保全に関する実態調査報告

野生生物の保全に関する実態調査報告

このページは表記の報告書をホームページ用に抜粋し再構成したものです。 報告書の見出し(目次)の間に考察の文章を差しはさむスタイルをとっています。 正規の報告書はダウンロードすることができます。

この調査報告は自然保護部が、1998年11月に当協会加盟園館に対して実施したアンケート調査(回答園館129、回答率80.1%)の報告です。

 

目 的

自然保護部が取り組む事業の一つに「野生生物の保全に関すること」がある。これに関連して、各園館での取り組み状況について調査し、現状を把握すると同時にどのような取り組みを将来に向けて行うかの保全計画策定の基礎資料として活用したいと考え、実態調査を1998年11月に実施した。

動物園や水族館が幼児や児童が初めて野生動物に接する場であるばかりでなく、都市化が進んだなかに生活する市民にとっても、身近に野生動物と出会える場所になっている。このような親しみのある動物園・水族館が社会のシステムとして、野生生物の保全に取組む姿勢や実践を明確にすることは、その存在意義を見直し、地域の環境を支える重要な視点ともなっている。

1 自らが行う調査研究

○ 1-1 飼育下での野生動物の調査研究について

○ 1-2 日本国内における野生での動物の調査研究に取り組みについて

○  1-3 海外における野生での動物の調査研究に取り組みについて

1-1飼育下での野生動物の調査研究についてはテーマは繁殖関連のものが多く、その対象は各園館での特色を生かした内容となっている。傾向として、本調査が野生生物全般を意識した調査であったにもかかわらず、国内での取組みに重点がおかれた回答事例であったようにみうけられた。 1-2自らが行なっている国内の野生動物調査研究事例では、動物園では鳥類生息調査、水族館では魚類調査をはじめ多様な取組みが回答水族館の60%でみられ、意識の高さが伺える。 1-3は取組みをしている園館はごくわずかであり、生息地との連携が必要とされるものの、実際に取組みをするまでには到らない実態が浮き彫りにされたものと思われる。

日本産希少動物の保護収容についての調査報告

2 共同研究もしくは調査等の協力や支援

○ 2-1 飼育下における野生動物の共同研究・調査に支援もしくは協力について

○ 2-2 日本国内における野生での動物の共同研究・調査に支援もしくは協力について

○ 2-3 海外における野生での動物の共同研究・調査に支援もしくは協力について

野生動物の共同研究・調査に支援もしくは協力については昆虫、魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類まで分布・生息・生態調査にかかわるものが多く、地域の野生生物についての基礎的な調査を園館が自ら実施したり、共同実施している実態が伺えた。特に日本産希少淡水魚についての取組みは「種保存委員会」の魚類、日本産希少淡水魚類別繁殖検討委員会の全国的なネットワークの成果であることが伺える。また、大学や研究機関との共同研究や検体の提供などをとおして、分子生物学から行動学まで幅広いテーマで実施されていることがよくわかる。

日本産希少動物の保護収容についての調査報告

3 野生動物保全に関するあり方について

野生生物保全に関する意見では、市民に飼育下の展示や保全活動を介した情報の提供や普及啓発活動の重要性については認識しているものの、体制(人、身分)・機構(システム)・施設・予算などで実際の取組み(地域、園外での活動)は困難との意見が12/37あり、約3割に達した。このなかで、協会として国家的・地球的プロジェクトとして推進するように働きかけをする〔釧路〕や、関係者が何をしているのかがわかる事業展開をし、各園が事業分担金を負担する方法を検討する〔王子〕は示唆に富むものと考える。

4 野生傷病鳥獣等の保護受付について

○ 4-1 その対応について 4-1-2 対応している場合の方法について

○ 4-2 年間受付種・点数及びその後の処置について

○ 4-3 傷病鳥獣の今後の受入れについての考え方について

○ 4-4 傷病鳥獣の受入れについての意見について

傷病鳥獣の受入れは動物園水族館が生き物を飼育展示していることから、一般市民は動物園水族館での保護受付が当然のことだして、傷ついた鳥獣を持ちこむ現実がある。法律的な受入れはないとはいっても、心情的に緊急保護として受入れざるを得ない実態が浮き彫りにされたと考える。実に年間9000羽を越える鳥類が会員園館に持ちこまれる。京都市動物園では平成元年より、京都府からの委託事業で1園で年間1000羽を越える保護実績を上げている。都道府県の鳥獣保護行政との連携の良い事例と思われる。神奈川県でも同様な委託を動物園におこなっているが、十分な予算措置等がとられていない意見が寄せられている。いずれにせよ、地域の野生生物の保全を考慮するとすると、鳥獣保護行政との連携はかかせず、良好な関係を保ちながら、応分の責任を果たす必要があると考える。

日本産希少動物の保護収容についての調査報告

考  察

ほとんどの部分を上記に掲載した。

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hozen.doc ワード文書 151KB 野生生物の保全に関する実態調査報告、この報告書の本文 hozen.txt(19KB)txt版です。少々読みづらいですが。 ダウンロード
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160KB 別表1.1 自らが行なっている飼育下での野生動物調査研究事例 
別表1.2 自らが行なっている国内の野生動物調査研究事例 
別表1.3 自らが行なっている海外の野生動物調査研究事例 
別表2.1 飼育下における野生動物の共同研究・調査事例 
別表2.2 国内における野生動物の共同研究・調査事例 
別表2.3 海外における野生動物の共同研究・調査事例 各園館が取り組んでいる調査研究、保護活動の事例を列挙
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table34.xls エクセル
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66KB 別表3 野生生物保全に関する調査概要 
別表4 野生生物保全に関する意見 
野生生物の保全に対して各園館の考え方が伺える。
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table5.xls エクセル
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177KB 別表5 野生の傷病鳥獣等の保護受付状況 
傷病鳥獣の受入れ活動の実態や問題点など現場の声が聞こえる
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