野生生物の保全にかかわる広報活動の調査報告
野生生物の保全にかかわる広報活動の調査報告
2001年3月22日
(公社)日本動物園水族館協会 自然保護部
動物園・水族館にとって野生生物との関わりはきわめて重要な課題である。運営委員会自然保護部が取り組む事業の一つに「野生生物の保全に関すること」がある。これに関連して各園館での取り組み状況について調査し、保全計画策定のための基礎資料として活用することを目的として、野生生物保全にかかわる広報活動に関する実態調査を実施した。
調査期間 | 平成12年12月1日に調査依頼文書発送 | |
回答期限 | 平成12年12月28日 | |
調査方法 | 回答は調査用紙に直接記入する。設問で選択肢のある場合には該当する項目記号にレ印を記入する。記入事項が多い場合には設問番号を明確にして、別紙とする。答えられないところは空欄とする。 | |
調査結果 | 野生生物保全にかかわる広報活動調査の回答は表1のとおりである。回答率は69%であった。 |
表1
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1 野生生物保全に係わる広報活動実施状況
回答があった動物園72園館、水族館42園館の実施状況は表2のとおりである。
何らかの形で野生生物保全に係わる広報活動を行っている割合は動物園では49%であり、水族館では55%であった。
表2
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2 広報活動の方法
回答があった動物園72園館、水族館42園館の広報方法は表3のとおりである。
何らかの形で野生生物保全に係わる広報活動を行っている割合は動物園では49%であり、水族館では55%であった。
これらについて各事項の状況をグラフ化したものが次の図1である。常設展、講演会、特別展、その他の方法について実施状況はそれぞれ動物園で49%、18%、36%、17%であり,水族館では45%、19%、24%、14%であった。
表3 回答があった園館での実施状況
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2-1 常設展における広報活動
回答があった動物園72園館、水族館42園館の実施状況は表2のとおりである。
何らかの形で野生生物保全に係わる広報活動を行っている割合は動物園では49%であり、水族館では55%であった。
回答があった園館で、常設展で野生生物保全に係わる広報活動を行っているのは動物園35園館49%であり、水族館では19園館45%であった。
この事例については別表2.1のとおりであり、その数は196である。動物園では145事例が水族館では51事例があげられている。
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2-2 講演会における広報活動
回答があった園館で、講演会で野生生物保全に係わる広報活動を行っているのは動物園13園館18%であり、水族館では8園館19%であった。
この事例については別表2.2のとおりであり、その数は59である。動物園では41事例が水族館では18事例があげられている。
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2-3 特別展における広報活動
回答があった園館で、特別展で野生生物保全に係わる広報活動を行っているのは動物園26園館36%であり、水族館では10園館24%であった。
この事例については別表2.3のとおりであり、その数は86である。動物園では59事例が水族館では27事例があげられている。
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2-4 その他の方法での広報活動
回答があった園館で、常設展、講演会、特別展以外の方法で野生生物保全に係わる広報活動を行っているのは動物園12園館17%であり、水族館では6園館14%であった。
この事例については別表2.4のとおりであり、その数は47である。動物園では30事例が水族館では17事例があげられている。
方法としては刊行物などの資料が最も多く、観察会やガイドなども行われている。
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3 パネル保存状況
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回答があった園館で特別展および、その他の方法で使用したパネル等を保存しているのは動物園17園館24%であり、水族館では6園館14%であった。 保存しているパネルの状況は表4のとおりである。
回答があった園館で動物写真、説明や解説パネルの保存状況はそれぞれ動物園で22%、18%であり、水族館では12%、10%であった。この状況を図2にグラフ化した。
パネルを保存している園館での動物写真、説明や解説パネルの保存状況はそれぞれ動物園で94%、76%であり、水族館では83%、67%であった。この状況を図3にグラフ化した。
3-1 動物写真
回答があった園館で特別展および、その他の方法で使用した動物写真を保存しているのは動物園16園館であり、水族館では5園館であった。
この事例については別表3.1のとおりであり、その数は86である。動物園では59事例が水族館では27事例あり、保存されている動物写真は合計608枚で、うち400枚が貸出可能であった。
3-2 解説パネル
回答があった園館で特別展および、その他の方法で使用した解説パネルを保存しているのは動物園13園館であり、水族館では4園館であった。
この事例については別表3.2のとおりであり、その数は46である。動物園では34事例が水族館では12事例あり、保存されている解説パネルは合計564枚で、うち521枚が貸出可能であった。
まとめ
- 各園館が過去5年間の実績のもとで野生生物保全にかかわる広報活動を実施しているか否かのアンケ-ト調査した。
・回答率は69%であった。動物園73%、水族館63%であった。 - 野生生物保全にかかわる広報活動の実施状況の回答結果
・広報活動を実施している園館は58園館で動物園35園館、水族館23園館であった。何らかの形で野生生物保全にかかわる広報活動を行っている割合は動物園では49%あり、水族館では55%であった。 - 広報活動の方法についての回答結果
・回答があったのは動物園72園館、水族館42園館であり、動物園で常設展を実施しているところは35園館、講演会を開いているのは13園館、特別展を 行っているのは26園館、その他の方法で実施しているところは12園館である。一方、水族館では常設展19園館、講演会8園館、特別展10園館、その他の 方法は6園館であった。 - 常設展における広報活動の回答結果
・回答があった園館で常設展で野生生物にかかわる広報活動を行っているのは動物園35園館49%であり、水族館では19園館45%であった。 - 講演会における広報活動の回答結果
・回答があった園館で講演会で野生生物保全にかかわる広報活動を行っているのは動物園13園館18%であり、水族館8園館19%であった。 - 特別展における広報活動の回答結果
・回答があった園館で特別展で野生生物保全にかかわる広報活動を行っているのは動物園26園館36%であり、水族館では10園館24%であった。 - その他の方法での広報活動の回答結果
・回答があった園館で常設展、講演会、特別展以外の方法で野生生物保全にかかわる広報活動を行っているのは動物園12園館17%であり、水族館6園館14%であった。 - パネル保存状況の回答結果
・回答があった園館で特別展及びその他の方法で使用したパネル等を保存しているのは動物園17園館24%であり、水族館6園館14%であった。
・回答があった園館で動物写真、説明や解説パネルの保存状況はそれぞれ動物園で22%、18%であり、水族館では12%、10%であった。
・パネルを保存している園館での動物写真、説明や解説パネルの保存状況はそれぞれ動物園で94%、76%であり、水族館では83%、67%であった。
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ファイル名 | ファイル形式 | サイズ | 内容 | ダウンロード |
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野生生物の保全にかかわる広報活動の調査報告 | ワード文書 | 450KB | 広報活動の調査報告について、このホームページと同じ内容です。 | |
調査表 | ワード文書 | 30KB | 今回の調査に使用したアンケートの様式 | |
集計結果 | エクセル ファイル |
81KB | 各園館からの報告の集計、基礎データとして利用できる |